和歌山で理美容ハサミを作っているキクイシザースです。
道具として使いやすく、シンプルで洗練されたハサミを。
そんな気持ちで毎日、ハサミづくりに向き合っています。
その思いは、細部の部品1つ1つにも宿っています。
たとえば、僕たちが作るハサミには欠かせない、要ネジという部品について。
初期モデル以来ずっと、キクイのコバルトシリーズにはシンプルなゆるみ止め六角ナットを採用しています。
「六角ネジといえば、キクイさんよね」
と言われるくらい、ずーっと変わらず使っているネジの形です。
ベアリングやバネなど、様々なネジがありますが・・・
複雑な仕組で部品点数が増えると、狂い(寸法誤差)が生まれやすくもなります。
両刃合わせて厚み6ミリしかないハサミをどうやってゆるみなく留めることが出来るか?
僕たちは、
ネジは部品点数が少なくシンプルに作ったほうが、がたつきが少ない
という考えを基本に、このシンプルなネジ方式を取っています。
ネジやヒットポイントといったパーツは工房修理にお出しいただいた時に新しいものに交換しています。
あくまでもネジは消耗品。
この考えも、ネジを飾らずにシンプルに作るということにつながっています。
ボルトとナットとパッキン。
飾り気がないと思われるかもしれませんが・・・
やっぱり道具として必要なもの、機能的なものを求める作り手でありたいというのが僕たちの思い。
必要最小限の部品で構成されるからこそ、その性能を引き出す職人の腕が問われます。