和歌山で理美容ハサミを作っているものづくり企業、キクイシザースです。
僕たちのハサミづくりの工程はショートムービーで公開しています。
特にショートムービーの50~53秒ではハサミづくりに欠かせない木が映っています。
(※上記埋め込みを再生すると50秒から始まります)
今回は、一見するとあまり関係なさそうなハサミづくりと木について紹介します。
ハサミづくりには欠かせない木へのこだわり
いいハサミをつくるために、木にもこだわりを持っています。
たとえば、叩き調整に使うハンマーも自分の手で造るのですが、柄には硬くてネバリのあるソバノキを選んでいます。
このソバノキという木、食べる蕎麦とは関係ないのですが、こだわりのある大工さんも槌の柄に使われているということです。
スベスベと手に馴染みやすく、使い込むほどに味が出る、本当に良い木材です。
ハサミ作りに欠かせない、和歌山県ならではの木
もうひとつ、叩き台に使われる木台も、堅さだけでなく叩きの衝撃を吸収するしなやかさが求められます。
例えばサクラでは柔らかすぎてすぐ凹むし、ケヤキは堅すぎて弾んでしまう。
そこで僕たちの工房では長年、よく乾燥させたウバメガシを使っています。
ウバメガシといえば、和歌山の名産である紀州備長炭の材料として有名です。
炭に加工されるだけあって油分が多く、適度な堅さがありながら叩きの衝撃を柔らかく逃がしてくれます。
いいウバメガシの台を求めて、備長炭の窯を訪れる事も。
地元・和歌山の県木に選ばれているウバメガシが、僕たちのハサミづくりには欠かせないものになっている。
日々のものづくりの中に、何か小さな、不思議な縁のようなものを感じます。