「チラッとご紹介」したオーダーメイドが完成しました!
和歌山で理美容ハサミを作っているキクイシザースです。
先月のブログで紹介したオーダーメイドが完成しました!
切れ味と使い心地にたくさんのこだわりを込めた難しいオーダーメイドでしたが
無事、お客さまに届けることができ喜んでいただきました!
大阪からわざわざ何度も工房まで足を運んでいただき、
粗加工の状態も見ていただきながら打ち合わせを進めたのですが…
やはり仕上がってみるとグッと引き締まった印象になります。
いままでお使いの5.5インチからパワフルな6.3インチへのサイズアップでしたが、
ハンドルの長さを調整したバランス・使い心地も気に入っていただき安心しました。
オーダーメイドのご依頼もたくさんいただいています
キクイシザースでは、注文の3割以上がオーダーメイドです。
今回のような"フルオーダーメイド"からちょっとしたサイズ変更など、内容も様々ですが・・・
僕たちには僕たちの作るハサミの色があるので、お受けできる内容には限りがあります。
ハサミとしての機能を損なうご注文はお断りさせていただく事もありますし、
見た目に派手な装飾はもともと出来ません。
先週、「いいものを作ったら売れる」という創業者のことばを記事にしましたが、
使う人と作る人ががいっしょに考えて、
一人ひとりにとって「いいハサミ」
を探していくことがオーダーメイドの意味なのかなと考えてます。
オーダーメイド以外にも、ハサミのことなら何でもお答えします♪
以下のフォームまたはラインでお気軽にお寄せください!
「昭和」にハサミづくりを始めた創業者のことば
和歌山で理美容ハサミを作っているキクイシザースです。
元号が発表されると一気に新しい時代に向かっているような気分になるので不思議なものです。
初代である僕の祖父が和歌山の地でハサミづくりを始めたのが昭和28年。
昭和・平成・そして新たに令和。
3つの時代を歩むことが出来るのも、使い手である理容師さん・美容師さんのおかげです。
いいものを作ったら売れる
と、創業者はよく言っていました。
もちろん時代や人によって「よさ」の概念も変ってくると思いますが、
特に近年は物も情報も溢れた時代、「ストーリー」が流行っているからこそ、
「いいものを作ったら売れる」
という言葉の持つ意味は大きいような気がします。
令和の時代も、創業者の思いと「いいもの」を届けていけるように。
まずは残り1ヶ月の平成も駆け抜けていきます!
※特に今年は連休が長い事もあり…平成最後の注文ラッシュに追われています。
4月上旬のご注文は5月中旬~下旬のお届けになる事をあらかじめご容赦ください。
現在進行中のオーダーメイド案件をチラッとご紹介
和歌山で理美容ハサミを作っているキクイシザースです。
先週 工房見学されたお客さまのオーダーメイドを作っています
工房でハサミに対する希望をお聞かせいただき、オーダーメイドをご依頼いただきました。
加工始めて1週間、やっと粗削り工程が済んだ状態で、だいたいのカタチしか出来てませんが…
せっかくなので、どんな風に進めているかチラッとご紹介します
今まで細身の5.5〜6.0をお使いでしたが、少しパワーのある太身、幅広が欲しいとのことで、
6.3inch メガネタイプのコバルトシザーをベースに。
特にこだわりのあるのがハンドルのリング部分。
叩いて横に広げ、これから磨き上げていきます。
ハンマーで叩いた少しいびつなカタチは磨きで修正していきます。
まさしく進行中のご依頼案件、もう少しカタチを作って2回目の打ち合わせをしていきます。
既製品であればハンドルは通常、型で作ったロストワックスを材料にしています。
既製の型でのご注文であれば、ほぼ同じ商品を安定した品質で作ることができます。
一方でリングサイズの変更や今回のような特殊形状への加工は型がないものなので、
「もう一丁同じモノを!」というのはなかなか難しいです。
ご依頼内容によってはもう一度同じように作ってもどうしても違いが出てしまう、
世界に1点のオーダーメイドとご了承いただくよう事前にご説明しております。
ハサミは人の手が作り、人の手で使うもの。
大量生産ではできない、手加工の個性・温かみをオーダーメイドで届けていければと思っています。
今回は少し特殊な加工の必要な形状ですが、もちろんちょっとしたカスタマイズも可能です。
ハサミについてのご相談・ご要望があればお気軽にお問い合わせください!
ハサミ工房のものづくり見学、お気軽にお越しください
和歌山でハサミを作っているキクイシザースです。
日経新聞やテレビ大阪の効果もあって・・・
なのかは分かりませんが、2月以降
「ハサミ工房を見学したい」
というお問合せをたくさんいただいています。
見学、大歓迎です。
今週見学に来ていただいたお客様も
「見せてもらえないと思ってました」
と話されていましたが、事前連絡いただければいつでも見学いただけます!
僕たちがものづくりをしているのは、ニッチ市場の商品を作る小さな工房。
少し前まではアクセスの悪い地方の小さな会社に来てくれる人も少なかったんですが…
最近は「見学してみたい!」と来てもらえる方が増えています。
工房見学ご希望の方はお気軽にご連絡ください!!
現場に「わざわざ」行く価値
情報が溢れているからこそものづくりや生産の現場に「わざわざ」行く価値が高まっている
みたいな事を良く聞きますが、その通りだとものづくりの現場にいても肌で感じます。
現場の空気感やこだわりの真髄のような部分って、文字や映像で伝わるものではないので・・・
足を運ぶことでブログやSNSでは伝えきれないものづくりを知る事ができると思います。
例えば新潟では工場の祭典という取組があり、今週末も京都でオープンファクトリー がありますが。
地域とものづくり企業がタッグを組めば大きな観光資源になるんじゃないかと。
(和歌山のものづくりや行政に関わるみなさん、いかがでしょうか笑)
見学の希望が増えているいま、「ホスト」側である僕たちものづくりの現場の人間も
製造過程をブラックボックスにしないものづくり
に意識を変えていけば、日本のものづくりは良くなっていく、と思います。
実際は簡単ではないんですが・・・
僕たちの工房を見学したお客さまにも、
わざわざ来てみてよかった!
と、何か持って帰っていただけるようにしたいと思っています。
修理やお問合せいただいたサロン様への挨拶状
和歌山で理美容ハサミを作っているキクイシザースです。
年末年始はお忙しいお店も多いので、少し早めに年末状を送らせていただきました。
ハサミのお問合せや修理のご依頼をいただいた美容室・理容室の方に送っているのですが、
ひとつひとつの宛名を眺めては、こうやって年々送り先が増えていることに感謝しております。
少し一年を振り返ると・・・
海外に挑戦したり、
スタイリスト×クラブミュージックのイベントに呼んでいただいたり、
そうそう、はばたく中小企業300社に選んでもらえたのも今年でした!
まだ年末気分に浸るには気が早いですが、思い返せばたくさんの方に出会えた1年でした。
いい出会いに恵まれるのも、日々僕たちの作る道具を愛用していただいているお客さまのおかげです。
来年は年号が変わったり消費税が上がったり、世の中も大きく変わる年。
業界も、ものづくりも。
いろんな所で変化が起こる予感がします。
様々な変化があるからこそ、作り手と使い手のつながりが今まで以上に大切になってくるんじゃないかと思っています。
まずは残り1ヶ月、あわただしい中ですが悔いなく2018年を締めくくれるよう頑張ります!
ものづくりの現場を快適に!新しい仲間が頑張ってます
和歌山のハサミメーカー、キクイシザースです。
僕たちの工房では、先月から新入りが頑張ってくれています。
その名もアマノくん。
大きすぎて全身が写りませんが・・・。
ハサミの加工時に発生する粉じんを吸い込んでくれる装置です。
20年頑張ってくれた先輩に変わって、工房の空気をクリーンに保ってくれています。
アマノくんは高性能!
アマノくんは以前の集塵機より強力なモーターで動きますが、インバータ制御で一定の風量に調整されるので工房の稼働状況に合わせて電力のロスなく働いてくれます。
しかもフィルタの汚れは自動で払い落としてくれるという気の利く働きぶり。
LED液晶も扱いやすく、フィルタの交換時期まで表示されます。
金属を削る現場なので粉塵の発生は避けられませんが、集塵機を新しくした事で環境改善が進んだ上に、メンテナンスしやすさと省エネまで手に入れました!
搬入は大変でした…
スッキリと収まってくれたアマノくんですが、大きな集塵機が小さな工房にやってきたので搬入作業が大変でした。
2トントラックで運ばれてきたアマノくん。
ユニックで運ばれるアマノくん。
ゆっくり慎重に工房内に進むアマノくん。
業務に差し支えないよう休日に来ていただいたのですが、設置から試運転まで3時間ほど掛かりました…
クリーンになった工房で、見学もお待ちしています
もちろんこれまでも集じん機は使っていましたが、やはり新しい機種はいいですね!
空気が改善され、音もずいぶん静かになったと実感しています。
というわけで、工房見学もお待ちしていますのでぜひお越しください。
”ハサミづくりと木” 切っても切れない縁の話
和歌山で理美容ハサミを作っているものづくり企業、キクイシザースです。
僕たちのハサミづくりの工程はショートムービーで公開しています。
特にショートムービーの50~53秒ではハサミづくりに欠かせない木が映っています。
(※上記埋め込みを再生すると50秒から始まります)
今回は、一見するとあまり関係なさそうなハサミづくりと木について紹介します。
ハサミづくりには欠かせない木へのこだわり
いいハサミをつくるために、木にもこだわりを持っています。
たとえば、叩き調整に使うハンマーも自分の手で造るのですが、柄には硬くてネバリのあるソバノキを選んでいます。
このソバノキという木、食べる蕎麦とは関係ないのですが、こだわりのある大工さんも槌の柄に使われているということです。
スベスベと手に馴染みやすく、使い込むほどに味が出る、本当に良い木材です。
ハサミ作りに欠かせない、和歌山県ならではの木
もうひとつ、叩き台に使われる木台も、堅さだけでなく叩きの衝撃を吸収するしなやかさが求められます。
例えばサクラでは柔らかすぎてすぐ凹むし、ケヤキは堅すぎて弾んでしまう。
そこで僕たちの工房では長年、よく乾燥させたウバメガシを使っています。
ウバメガシといえば、和歌山の名産である紀州備長炭の材料として有名です。
炭に加工されるだけあって油分が多く、適度な堅さがありながら叩きの衝撃を柔らかく逃がしてくれます。
いいウバメガシの台を求めて、備長炭の窯を訪れる事も。
地元・和歌山の県木に選ばれているウバメガシが、僕たちのハサミづくりには欠かせないものになっている。
日々のものづくりの中に、何か小さな、不思議な縁のようなものを感じます。